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英文テクニカルライター必携本② [技術英語の実務@世界のF社&H社]

「目次」を追加しました。
マスターしておきたい技術英語の基本

マスターしておきたい技術英語の基本

  • 作者: リチャード カウェル
  • 出版社/メーカー: コロナ社
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 単行本
この地味な表紙の裏にある「本書の特徴」に、こう書いてあります。

「従来の技術英語作文技法の本とは違い、日本人が特に間違いやすい用語の使い方や構文、句読法の使い方を重要度順に対比的に説明している。」

「ふーん。『基本』だから、自分にはどうかなぁ。」
と、全く期待してませんでした。

「でも、anotherの前にtheと赤入れする非常識なウチのチェッカーと、それを疑いもせずに反映するウチのライター達を再教育するのには使えるかも・・・。」
と思い直して、開いてみたら、「おぉっ!」とビックリ。
衝動買いしてしまいました。

結論を言えば、買って大正解。

コロナ社さん、こんな良い本なのに表紙が地味過ぎます!
これ、絶対にカバーを変えた方が良いですよ。

だって、外見からは想像も付かない、ほぼ全頁、カラー印刷!
トピックのほとんどに、イメージ理解を促す大胆なイラスト付き!
約90のトピックのどれもが非常に面白い!
「POINT」「DEFINITION」などの解説も適切で、分かりやすい!

例文も豊富、練習問題も豊富で、大満足の1冊。
技術翻訳家志望の方にお勧めです。
工業英検対策にも役立ちます。

Amazonの書評が高いのにも納得。
余りに面白かったので、もう少し中身を紹介します。
 
Amazonリンクには「作者: リチャード カウェル」としかありませんが、写真の表紙をよく見てください。
「共著」であることが分かりますね。
--------------------------------------------------------------
Richard Cowell氏
=スタンフォード大学卒。20年以上も英語技術論文を添削。

余 錦華(しゃ きんか)氏
=東京工業大学大学院卒。東京工科大学准教授。
---------------------------------------------------------------
この二人が気付いた「繰返し現れる全く同じ間違い」を整理し、「間違いやすい順」に並べた構成になっています。
例文は主に情報・電子分野のものですが、それほど難解なものではありません。

最初のトピックは「realize」。
「realize」と「実現する」の概念は異なることを解説し、
「機械的に訳すと、ほとんどの場合間違っている。」
と結論付けています。

「これは×。これが。」で終わらせている本が多い中で、さらに先がある所が、この本の凄い所。
「realize」の代わりとなる12個の動詞を紹介し、各動詞にふさわしい目的語の組み合わせを、色を効果的に使ってビジュアルに紹介しています。

「contain vs. include」のトピックも、豊富なイラストで「ナルホド!」でした。

ここまで詳しく、かつ、納得できる解説は初めてです。
英和辞典、英英辞典を数々読んでも納得できなかったんです。
使い分けに今ひとつ自信がなかった単語ですが、これからは大丈夫!

「has been used vs. is used」のトピックは、ウチの会社で再教育用に使えるな。
"is installed"って僕が書いた原稿を見て、
「え?
ココ、has been installed なんじゃない?」
とヒソヒソするオペレーター。
その場面では "is installed" が正しいの!
今までがオカシイの!!
まぁ、知らないんだからショーがないか。
・・・とも言ってられない。
コピーして渡してあげよう。

Unnecessarry Words のトピック
は僕にとっては新鮮味なし。
でも、これが「マスターしておきたい基礎」と強調されていることが重要。
理解してもらおうとして、一文を詳しく長く書くってのは愚の骨頂。
それを知らない人が多過ぎるからね。

「名詞を使った動詞句よりワンワードの動詞を使うと、文は短く、理解しやすく、パワフルになる。」
というトピックも、「そうそう!」とニヤニヤしちゃいました。
(「技術英語の基本」なんていう本で、ニヤニヤしちゃう僕って一体・・・。)

頻繁(ハンザツじゃないよ!)に「NOT ENGLISH!」と出てくるのが痛快。
中でも驚いたのは、「another vs. the other」というトピックがあったこと。
「The another は英語ではない。」という「常識」が強調されていました。

ウチの会社だけじゃないのね。
いかに日本人の英語力(いや、翻訳業界のレベル)が低いかを再認識しました。

英語科出身ばかりのハズの翻訳業界が、ナゼこんなに間違いだらけなんでしょーねぇ。
独学の僕の方が英語できるなんて、英語業界って一体・・・。


技術翻訳志望の英文科出身の方、しっかり勉強してね。
「目次」
http://www.coronasha.co.jp/np/detailindex.do?goods_id=2132


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hiruruk

これはとても勉強になりそうです! Eメールのやり取りなどで機能説明などに苦労しているので、早速購入したいと思います。ありがとうございました(^O^)
by hiruruk (2008-11-26 19:52) 

Hirosuke

>機能説明などに苦労している

この記事に食いついたということは、hiruruk さんの仕事は、情報・電子分野ってことですね。

だからか。
「エヴァ」の記事ばかりなのは。(笑)

英語記事、最近ないですよ。
上原も原も世界を目指す。
どうする、hiruruk !?
by Hirosuke (2008-11-26 23:02) 

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