やられたら、やり返す。
倍返しだ!

『半沢直樹』大ヒットの謎

出版社/メーカー: ゴマブックス株式会社
メディア: Kindle版

 

ssh-スーパー小論文ハイスクール

ssh632 やられたら、やられっぱなし [リテラシーと思考力を鍛える]
—世の中には、やられたらやられっぱなしの人たちがいる— 

生来ヘソ曲がりのアマノジャクであるshiraは、ブームとか流行とかいったものには自然と背中を向けたがるのです。企業やメディアの利益に沿うようなブームであればなおさら。sshがやたらとAKBに辛辣なのもそのせいでしょう。 『半沢直樹』ってTVドラマ、えらいヒットだったらしいですね。ただの1度も見ずに放送が終わりましたけど カネの成る木にゃ便乗商人が毛虫かアブラムシのようにうようよたかるのはいつものこと。(喩えが下品ですみませんね。実は先日庭木の毛虫&アブラムシ退治をしたばかりでして。) 例の「やられたらやり返せ」だの「倍返し」だのもあちこちで便乗利用されてます。今年の流行語大賞選考委員は葛藤なく選考できてさぞやラクなことでしょう。 その「やられたらやり返せ」で思い出したのが、2001年のアメリカ同時多発テロに端を発するイラク戦争。ブッシュ政権下のアメリカの反応は、まさに「やられたらやり返せ」でした。我が国でも中央紙5紙すべてが開戦やむなしと主張しました。今も昔もメディアが一斉に同じ方向に向くときは危険です。 この空気に異議を唱える人もたくさんいました。 その一人が、世界には「やられたらやられっぱなしの人たちがいる」と述べた上野千鶴子です。どんな非道な仕打ちを受けても、反撃のカケラすら許されず、その力もなく、振り上げた拳をただ静かに降ろすしかない人々がこの世界には山ほどいるのだと彼女は主張しました。 (以下、略)