第三のグループ「隠れ修正主義者」は、フロイトに対する忠節を唱えることにおいて正統派と忠実な野党に似ていた。しかし彼らは修正主義的行動計画を公言することはなく、実際は正統主義からの重大な逸脱であることを師自身の思想の論理的延長であるように見せかけた。その方途として、彼らは伝統的なフロイト主義者の性と攻撃の強調を受け入れているように―実際にはそれから逸脱した思考を発展させながら―よそおい、あるいはまた、異端派に発する考えを取り入れながら、その先輩たちへの挨拶もなく、それをリビドー理論として組み込んだ。これは最も多様性に富んだ分類であって、次の人々が入る。エリク・エリクソン、ハインツ・ハルトマン、イーディス・ジェイコブソン、メラニー・クライン、ハインツ・コフート、マーガレット・マーラー、ドナルド・ウィニコット、そして奇妙なことにジャック・ラカンも。彼は他の者たちとは違って、主流にとどまるよりもむしろフロイト―あるいは彼の理解するフロイト―に対する忠節のために、正統派からの追放をみずから求めたのであった。

フロムの遺産

  • 作者: ダニエル バーストン
  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 1995/12
  • メディア: 単行本