なぜ日本の広告には1秒で分かる魅力や訴求が感じられないか [広告・コピーライティング]
広告批評の yutakami さんの記事に、英文テクニカルライターとしてコメントします。
見えないアシスタントをどんな写真にも
(露出地:ベルギー、露出年:2007)
「見えないアシスタントをどんな写真にも」とコピーが添えられ、ライティングやレフ板を行うアシスタントが見える。
ところが、カメラの画像モニターにはアシスタントが写っていない、という1秒で分かるこのカメラの魅力、訴求点。
オーソドックスなアイディアかもしれないけれども、こういう広告を見るたびに、日本の広告にはなぜ1秒で分かる魅力や訴求が殆どといっていいほど感じられないのか、と思ってしまいます。
そのポリシーを貫くだけで、多くの製品カテゴリーにおいても、はたまた広告クリエーター、広告会社、製作会社においても「ブランド」になるはずだと思うのですが。
英文テクニカルライターとしてコメント致します。
ヨーロッパは他言語文化です。
そのため、言葉には広大な市場に対する訴求力が全くありません。
この問題を克服するために「認知心理学」が早くから研究されました。
「認知心理学」は、「パッと見の理解」「イメージ理解」が研究対象です。
ヨーロッパでは、認知心理学の研究成果が当然のように取説に採用されています。
日本では、ごくごく最近になって、認知心理学を取説へ応用する検討が始まりました。
しかし、認知心理学を応用した取説をクライアントに提案しても、「見慣れない」「伝わるのか不安」との反応が大方を占めます。
結局、殆ど採用されないのが現状です。
取説にせよ広告にせよ、根源は同じだろうと考えられます。
「長澤まさみのカルピス広告」http://mizunoyutaka.blog.so-net.ne.jp/2008-11-24 は、認知心理学が上手に応用されている好例です。
クライアントは恐らく気付いていないでしょうけれども。
認知心理学 (New Liberal Arts Selection)
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