英文テクニカルライター必携本① [技術英語の実務@世界のF社&H社]
色んな本がありますが、プロとして僕がお勧めするのはこの2冊。
(1)Style Guide: For Business and Technical Communication
- 作者: Franklin Covey
- 出版社/メーカー: Franklincovey
- 発売日: 2000/06/01
- メディア: ペーパーバック
ビジネス書の大ベストセラー「7つの習慣」で有名な Franklincovey社から出版されています。
現地のビジネスマンが対象ですから、当然、全頁全文、英語です。
特徴
①「正しく伝える」という観点から、ネイティブでも意見の分かれる表現に対し、明確な指針が得られる。
②2色刷り、かつ、見やすいレイアウト。
③各項の冒頭に枠囲みで明確なルールが簡潔に挙げられ、ポイントが目に飛込んでくる。
④枠囲みの下に各ルールの詳説が配置され、悪文や改善例を通じて、さらに納得できる。
⑤カラーイラストが豊富で、アメリカ人好みのテクニカルイラストがわかる。
⑥イラスト内の正しい文字表記が分かる。
⑦数値や単位の正式な表記法がわかる。
⑧安心して使える各種文書の雛型(技術文書・マニュアルもカバー)が用意されている。
⑨CD-ROM付き。丸一冊分、PCにインストールして検索することは勿論、自分に使いやすく編集することまで可能。
(コメント欄で、さらに詳しく説明しています。)
僕だけのレビューでは客観的とはいえないので、こちらもご覧ください。
(ネイティブの評文です。)
http://www99.epinions.com/content_120663740036
HP http://www.franklincovey.com/fc/
「全文英語じゃ無理!」という方にお勧め。
和英対訳方式で書かれています。
残念ながら、黒1色。
しかし、見出しが効果的に使われており、色を使わずとも、非常に分かりやすい構成になっています。
英文テクニカルライターだけでなく、翻訳家、翻訳家志望の方、翻訳会社やマニュアル作成会社で品質管理を担当されている方にも、ぜひ読んで頂きたい本です。
この本では、TES という日立製作所で実際に運用されている翻訳品質評価システムが詳説されています。
それをマスターするための「練習問題」が付いていることが特徴その1。
まずは、これをやることで、英文作成の要諦を学ぶことができます。
練習問題なら他の本にもあります。
「和英対訳方式」であることが、この本の最大特徴でしょう。
Amazon のカテゴリーでは「和書」となっていますが、実際には、日立の英文作成基準をネイティブが英文で解説したもの。
「洋書」と言ってもいい位です。
それに翻訳和文がついて「対訳方式」となっているわけです。
練習問題をマスターしたら、ぜひ全文を「比べ読み」することをお勧めします。
「和文→英文」、逆に、「英文→和文」と読み比べることで、限られた数のパターン化した練習問題では得られない、非常に多くのことに気付くことができるからです。
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翻訳会社の社長arturo_tak さんからも「大変ためになる」とのコメントを頂いたので、ご紹介します。
この記事に頂いたコメントです。
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「ミシガン大学夏期セミナー」
http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2008-06-22
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Style Guide: For Business and Technical Communication、紹介いただいてありがとうございます。購入したいと、すごく思いました。
ただ、私はMicrosoft Manual of Style for Technical Publicationsを読んだのですが、これと内容がかぶるのではないか・・・と思っています。
もしHirosuke様がMicrosoft Manual of Style for Technical Publicationsも読まれていたら、内容が大幅にかぶっているか教えていただけるとありがたいのですが・・・
あ~でも、内容が多少かぶっていても、やっぱり買いたいなぁ・・・
by oceanbridge (2008-05-16 20:10)
oceanbridge さん、そんなに欲しくなっちゃったんですか~?(笑) 追い討ち掛けちゃおうかな。
oceanbridge さんが「55のルール」って本をご紹介してましたよね。僕も買ったんですけど、このFranklincoveyは、55どころじゃありません!それも、各々が見やすく詳しく解説されています。
残念ながら、Microsoft Manual of Style for Technical Publications は読んでいないのです・・・と書きながらググッってみたら、third edition のpdf版があったので、ゲットしちゃいました!404頁もあるんですね。
ざっと見て・・・確かにかぶってる所もありますが、見易さと一般語の用例の多さはFranklincoveyの方が圧倒的です。ただ、Microsoft の方が当然ながら、Web関連の説明が凄いですね。Franklincoveyには全くWeb関連のトピックが出てきません。
僕は機械分野を紙媒体で表現するのが主なので、SI単位系なども解説されているFranklincoveyに軍配を挙げます。
FranklincoveyもGlobal English に触れてはいますが、申し訳程度に1ページだけ。逆に言えば、Franklincovey は、アメリカ中心主義的な考え方で書かれている本で、主取引先がアメリカならば特に有用であると言えます。
僕の場合、EU地域も相当絡むので、偏らないように British のLDOCEも併用しているというわけです。
参考になりましたでしょうか。
by Hirosuke (2008-05-16 23:59)